がん治療では、手術や抗がん剤、放射線が三大治療と言われてきました。
最近では、皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬として、小野薬品工業のオプジーボ(一般名はニボルマブ)が出てきています。
これは世界初の抗PD-1抗体として承認されています。

2015年には皮膚がんだけではなく、非小細胞肺がんにも適応するようになっています。
当時は薬剤費が年間で3,000万円を超えるというのも話題になりました。
今回は特にオプシーボについて解説していきます。

ヒトの免疫を使える画期的な新薬「オプシーボ」

がん治療において、ヒトの免疫を使ってがん細胞を駆逐しようというトライは以前から行われていました。
しかし、上手くいってなかったのが実情です。

オプシーボは、そういった過去の免疫治療とは違っています。
体内で異物を排除する働きを持っているのがT細胞です。
このT細胞を活性化させることに、過去は失敗を積み重ねていました。

その理由として、T細胞の表面にがん細胞への攻撃を妨害するPD-1という物質があったことが挙げられます。
さらに、がん細胞のほうにもそのPD-1と結合するPD-L1という物質があり、これによってT細胞ががん細胞をより攻撃できなくなっていたわけです。

こういった事実は、過去の失敗からの研究によって分かったことです。
オプシーボは、このPD-1に対向する抗体化医薬品です。オプシーボがPD-1と結合することによって、PD-1とPD-L1の結合を解除します。
がん細胞への攻撃を妨害させないようにする仕組みです。

オプシーボは全てのがん腫に効果があるわけではない

このような新たなアプローチから生まれたオプシーボは当初、夢の新薬と呼ばれて騒がれていました。
しかし、全てのがん患者に確かな効果をもたらすものではありません。

特に前立腺がんや大腸がん、乳がんについては、オプジーボのみで今までの治療薬を上回るのは難しいです。
さらに膵臓がんでは効果そのものが出しづらいです。
こういったがん腫については、他の抗がん剤と併用することによって、効果を期待していくことになります。

オプシーボを使用するか否かについては、患者自身のがん腫などを念頭に置いたうえで専門医としっかり相談する必要があります。